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(0513wiki情報補足)悟茶さんに対するコメントレス~昔のギターの古典調律フレット論~ [質疑応答]

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 GW突入&重要議題ということで、久しぶりにこの形式を採用してみました。

 ということで、悟茶さん、ラコートの資料ありがとうございます(重要なのでURL再掲)。
http://metainfo.web.fc2.com/_src/sc643/lacorte.pdf

 裏面板にもサウンドホールがある(!)ラコートの楽器は今回初めて知りました。それと、窪みがある形状の指板については以前から知っていて、「この形状を利用した音程操作」があり得る、とは思っていたのですが、深く考察したことは無かったですね・・・資料の写真を見る限り、弦の押圧の加減により、普通のギターよりは音程変更できる幅が大きいものと思われます。

 ただ、それは謂わば「クラヴィコードでの鍵盤の押圧の加減による音程操作」と同じで、加減が難しく、一定の音程を出するのが困難で不安定になりやすいですよね。仮にこのギターのフレットが「12等分平均律(率)」だとして、ハ長調の曲のⅠの和音の長三度(すなわちCE)を純正に近づけるためには、「主音(ルート音)」であるCの音程を上げなければならないですよね。で、次にFの和音を弾くときは、Cの音程は(ほぼ)そのままで、今度はFの音程だけ上げる必要がありますよね・・・これは技術的に余りに困難だし、音階構成音さらにはルート音(その調を支配している中心の音)まで頻繁に変動させるなんて、聴く方も疲れちゃいますよ(汗)。

 ですので、弦の押圧の加減により音程を変動させるという技法は、いわゆる「王道」ではないと考えられます(この前レッスンで知ったのですが、クラヴィコードでも通常そんなことはしないです)。「王道」はやはりフレットの「位置」による音程調節でしょう。

 で、ここからが重要なのですが、今回の資料のラコートの楽器って、本当に「12等分平均律(率)、(以下「12ET」)」なのでしょうか? ということですね。
 写真を見る限り、我々がよく見るギターと同じようなフレットの並びなので、パッと見「あぁ、これは12ETだな」で終わりですよね、普通の人は(笑)。

 でも、この資料、ちゃんと「弦長」や「フレット位置の数値」まで細かく記載されてますよね。
 まず、弦長が627mmですよね。そうすると、オクターブハーモニクスの地点、すなわち弦を2分割する地点は、313.5mmですよね。それに対して、実際の12フレット地点は、弦を押圧するときの音程増加分を考慮して、若干低めの313.0mmに設定されてます(ナット(ヘッド側)からの値、以下同じ)。ここまでは良いですよね。

 で、繰り返し述べてますが、フレット楽器で最も重要なのは「第4フレットの位置」です。この場合、5倍音すなわち弦を5分割する地点は、627/5=125.4mmです。次に、(弦押圧時の音程増加分を考慮した)実際の4フレットの位置は?

 ・・・・あれれ!? おやおや?(笑)何と何と、「123.8mm」って書いてありますよ。その差1.6mmです。この誤差であれば、第4フレットの「真上」でもハーモニクス音が鳴るのではないでしょうか? しかも、この第4フレットは、12ETフレットのように1/5地点よりも「高く」しているのではなく、逆に「低め」に設定してますよね。これなら第4フレットの音は、開放音に対して「純正長三度」になるのではないでしょうか?ということです。

 ちなみに「ラコート」は、移動式フレットのギターも作ってます。
http://www.paulpleijsier.nl/blog/?page_id=27

 イギリスの有名な製作家の「パノルモ」も(詳細不明ですが)凄いのw作ってます
http://www.studia-instrumentorum.de/MUSEUM/GITARREN/0566.htm
 
 その辺の事情の日本語解説は、下記サイトに結構詳しく説明されています。
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/7500/sky2.html

 ですので、現在の私としては、もはや
>「古典ギターの中にはもしやウネウネフレット、もしくは12平均律とは違った
>フレットを打った楽器が存在したのではないか」
という「疑問符」はとっくの昔に卒業(笑)した、というところです。

 そもそも、昔のギターは(リュートと同じように)フレットレス&自分でフレットを付ける楽器も多かった(らしい)んですよ。それと、固定フレット式の楽器であっても、12ETとは違ったフレットのものが今でも結構残存している、ということは色々と情報を得てますし。
 上記で、「今でも結構残存している」と書いたのは、前に「理科年表」関係で記事にしましたけど、昔の理科年表の「音律」の箇所の記述を読むと、12ETが「強制音律化」された時期が確かに存在していたことが伺われ、そんな時期があったのならば、12ET以外の音律に関する昔の楽器や資料などは、多かれ少なかれ確実に「処分」されますよね。「それでもなお残存している」という意味です。12ET以外のフレットの楽器が。

 で、理科年表の「音律」の記述はご存じの通り現在は非常に緩やかな表現になっていますが、依然として「12ET至上主義」、「12ETは昔からずっと使われてきた」的なイメージ戦略がはびこっている&最近ますます酷くなっている、というのが最近の所感です。wikiの各種音律関係のページを見るとそれが良く分かりますよ(例:「平均律」のwikiページで「平均律は批判されるべきである」旨の記述が消えた。「中全音律」のwikiページで、詳しい説明が最近ごそっと削られた。凄いのになると、下記「グラス・ハープ」のwikiページで、出だしからいきなり
>口径・腰径の異なる複数のグラスを大きさ順に並べるが、様々な作品を
>演奏できるように十二平均律の半音階を網羅して並べ、・・・
って記述されてますからね(笑)。思わず苦笑しちゃいましたよ。)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%83%97

ではこんなところで。

0513補足:
 グラスハープについての英語版wikiのURLです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Glass_harp

 >口径・腰径の異なる複数のグラスを大きさ順に並べるが、様々な作品を
>演奏できるように十二平均律の半音階を網羅して並べ、・・・

 に対応する英文ってどこにあるのでしょうかね?

本当、いつまでも(日本で)「上の人」がこんなことやっていたら、アマチュアの音楽愛好家から「常識を疑われる」だけだと思いますよ、真面目な話。

 


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コメント 2

悟茶

迅速且つ丁寧なご解説ありがとうございます。
や〜、流石kotenさん!恐れ入ります。

ラコートが既にあのトルコのギタリストの楽器の原型としての可動フレットギターを作っていたとは!
しかも特許まで取得していた、と。
感銘を受けました。

150年以上昔の楽器が少なくとも3台現存しているとすると、軽くその100倍くらい(or more?)は作られたのかもしれませんね。

制作する側から見ると、12ET以外の位置にフレットを打つことを考えた場合、あの方式が極めて合理的だと思います。
ウネウネに加工するより、特殊な鉋とか治具が必要かもしれませんが直線加工の方がやりやすいし、多様な音律に対応できる方が演奏者のニーズにも合っていたはず、と。
フレット部分にしても、同じパーツを沢山作ればいいので効率がいい。

なんか例によって悪い癖がムクムクと、……つ、作りたひ^^;

や、ラコートの時代よりかなり工具が進化したから相当に敷居が低くなっていると思いますしネ。
特に、今は「Makers」の時代。3Dプリンターでこのフレットパーツを作ってしまえばいいぢゃん?、と。
昔はガットでフレットを作っていたことを考えればプラスチック製もありだろうし、どうしても金属で、ということであればShapewaysみたいなサービスを使ってもいいし、と。

その辺りのアイデアは近々自分のところでアップしますね。

ご教示いただき非常に参考になりました。
ありがとうございました!


by 悟茶 (2013-04-27 15:27) 

koten

悟茶さん

 どうもどうも、満足いただけたようで良かったです。また、貴重な資料を教えていただき有り難うございました。折角なので補遺編も書いてみたいと思うのですが、どうなることやらです(後日に補足しようかなと)。
http://meantone.blog.so-net.ne.jp/2013-04-28

>軽くその100倍くらい(or more?)は作られたのかも
 Goodですよこの妄想力!(笑) 妄想力こそが世界を動かす原動力ですよね、これだけ「情報隠し」やら「データねつ造」やら「歴史歪曲化」やらが当たり前のようにハビコっているこの「監獄惑星」では(爆)

>なんか例によって悪い癖がムクムクと
 いやいや、悪い癖とか仰らずに、是非製作してレポしてくださいよ、期待してますので。

>3Dプリンター
 3Dプリンターって凄いらしいですね、、小生、テレビやネットでの知識レベルでしかないのですが、実際に製品が直ぐ出来るのを目の前で見たら更にカルチャーショックなんでしょうね。本当、凄い時代になりましたよね、、、それに比べて楽器業界と来たら(笑)

by koten (2013-04-28 01:38) 

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